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「男性の3人に1人、女性の5人に1人が生涯未婚」といったニュースを見て、少しドキッとした方もいるのではないでしょうか。婚活を考えている方にとっては、気になる数字ですよね。
ただ、この「生涯未婚率」という言葉は、名前から受ける印象と、実際に表している中身とが少し違います。この記事では、総務省の国勢調査や国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の資料をもとに、生涯未婚率の正しい意味と計算方法、2025年国勢調査で分かった最新の数字、100年の推移や年齢別の未婚率を、3つの表で確認していきます。
生涯未婚率とは?言葉の意味と計算方法
まずは、生涯未婚率という言葉がどんな数字を指しているのかを整理しておきましょう。ここを押さえておくと、ニュースの見出しに振り回されずに済みます。
45〜49歳と50〜54歳の平均で計算し、今は「50歳時の未婚割合」と呼ぶ
生命保険文化センターの解説によると、いわゆる生涯未婚率は、「45〜49歳」と「50〜54歳」の未婚率の平均値から、50歳時点の未婚率(結婚したことがない人の割合)を出したものです。社人研の「人口統計資料集」の表にも、総務省統計局の国勢調査の結果から、45〜49歳と50〜54歳における割合の平均値として算出した、と注記されていました。
ここでいう「未婚」は、一度も結婚したことがない人のことです。離婚した人や配偶者と死別した人は「離別」「死別」に数えられるので、未婚には入りません。国勢調査は5年ごとに行われるため、この数字も5年に1度更新されることになります。
計算に使われる国勢調査では、配偶関係を答えていない「不詳」の人もいます。社人研の表では、2015年と2020年の値は、総務省が「不詳」を補完した「不詳補完値」に基づくと注記されていました。2025年の国勢調査でも、総務省統計局は不詳補完値の集計表を公表しています。
この数字は、以前は「生涯未婚率」と呼ばれるのが一般的でした。しかし、生命保険文化センターは、生涯を通して未婚である人の割合を示すものではない、と説明しています。社人研の人口統計資料集でも、表の名前は「50歳時の未婚割合」となっていました。こども家庭庁のライフデザインデータ集でも、同じく「50歳時の未婚割合」という言葉が使われています。
50歳を過ぎてから初めて結婚する人もいるので、50歳時点で未婚だった人が、その後もずっと未婚のままとは限りません。「生涯」という言葉から受ける「一生結婚しない人の割合」というイメージとは、少しずれがあるわけですね。
それでも、50歳の時点で一度も結婚したことがない人がどのくらいいるのかは、社会の変化を知るうえで大切な指標です。この記事では、一般によく使われている「生涯未婚率」という言葉も使いながら、正式な呼び方である「50歳時の未婚割合」の数字を見ていきます。
2025年国勢調査でわかった最新の生涯未婚率
ここからは、実際の数字を確認していきましょう。2026年9月に総務省統計局が公表した令和7年(2025年)国勢調査の集計表をもとに、最新の値を計算しました。
2025年は男性29.9%・女性19.6%で過去最高、100年の推移と都道府県別
総務省統計局が政府統計の総合窓口(e-Stat)で公開している令和7年国勢調査の「人口等基本集計 第4-4表(不詳補完値)」を見ると、全国の未婚率は次のとおりでした。
| 区分 | 45〜49歳の未婚率 | 50〜54歳の未婚率 | 50歳時の未婚割合 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 30.64% | 29.11% | 29.9% |
| 女性 | 20.43% | 18.73% | 19.6% |
2つの年齢層の平均を計算すると、2025年の50歳時の未婚割合は男性が約29.9%、女性が約19.6%になります。2020年の値(男性28.25%、女性17.81%)と比べると、男性は約1.6ポイント、女性は約1.8ポイント上がりました。独身研究家の荒川和久さんも、Yahoo!ニュースのエキスパート記事で同じ方法で算出し、男女とも1920年以来の過去最高になったと伝えています。
男性のおよそ10人に3人、女性のおよそ5人に1人が、50歳の時点で一度も結婚したことがないということになります。X(旧Twitter)でも、「男性の生涯未婚率がついに30%近くになった」という投稿が多く見られ、関心の高さがうかがえました。
社人研の人口統計資料集(2025年版)には、1920年からの50歳時の未婚割合がまとめられています。主な年の値を表にすると、次のようになりました。2025年は、上で計算した国勢調査の値です。
| 年 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 1920年 | 2.17% | 1.80% |
| 1950年 | 1.45% | 1.35% |
| 1970年 | 1.70% | 3.33% |
| 1990年 | 5.57% | 4.33% |
| 2000年 | 12.57% | 5.82% |
| 2010年 | 20.14% | 10.61% |
| 2020年 | 28.25% | 17.81% |
| 2025年 | 29.9% | 19.6% |
1970年ごろまでは、男女とも50歳の時点で未婚の人は数%しかいませんでした。ほとんどの人が50歳までに一度は結婚していた時代だったと言えます。大きく変わり始めたのは1990年代からで、男性は1990年の5.57%から2000年の12.57%へと、10年で2倍以上になりました。
その後も上昇は続き、男性は2010年に20%を超え、女性は2010年に10%を超えています。2020年から2025年にかけても男女とも上がっていて、未婚化の流れはまだ続いていることが分かりますね。なお、1970年は女性の値(3.33%)が男性(1.70%)を上回っていますが、1990年以降は男性のほうが高い状態が続いています。
同じ第4-4表には、都道府県ごとの未婚率も載っています。45〜49歳と50〜54歳の未婚率を平均して、2025年の都道府県別の50歳時の未婚割合を計算してみました。
男性で最も高かったのは東京都の33.1%で、青森県の32.0%、埼玉県の31.8%が続いています。反対に低かったのは滋賀県の25.0%、福井県と鹿児島県の25.7%でした。女性で最も高かったのも東京都で24.9%、次いで大阪府の22.5%、京都府の22.2%となっています。女性で低かったのは福井県の14.6%、滋賀県の15.0%、岐阜県の15.1%でした。
女性の場合、最も高い東京都と最も低い福井県とでは、10ポイント以上の差がありました。男性でも東京都と滋賀県の差は約8ポイントあり、住んでいる地域によって数字はかなり違うことが分かります。荒川和久さんのXの投稿でも、東京23区では区によって女性の値が男性を上回るところがあると紹介されていました。全国平均だけでなく、自分の住む地域の数字も見てみると、また違った印象を受けるかもしれませんね。
年齢別の未婚率と、結婚に対する意識
50歳時の未婚割合は、今の50歳前後の人たちの結果です。これから婚活を考える世代にとっては、もっと若い年齢の未婚率や、結婚に対する考え方のほうが身近かもしれません。
年齢別未婚率は30〜34歳男性で53.8%、結婚の意思と独身の理由
令和7年国勢調査の同じ表から、20代後半から50代前半までの未婚率を抜き出してみました。
| 年齢 | 男性の未婚率 | 女性の未婚率 |
|---|---|---|
| 25〜29歳 | 77.1% | 68.9% |
| 30〜34歳 | 53.8% | 41.9% |
| 35〜39歳 | 41.7% | 29.7% |
| 40〜44歳 | 34.4% | 23.1% |
| 45〜49歳 | 30.6% | 20.4% |
| 50〜54歳 | 29.1% | 18.7% |
30〜34歳では、男性の半数以上、女性の4割以上がまだ結婚していません。35〜39歳になると男性は約4割、女性は約3割になり、年齢が上がるにつれて未婚率は下がっていきます。
一方で、40代以降は下がり方がゆるやかになっていることにも気づきます。男性の場合、35〜39歳の41.7%から45〜49歳の30.6%まで、10歳の差で約11ポイントの差でした。30代のうちに結婚する人が多い一方、40代以降に初めて結婚する人の割合は小さくなっていく、という傾向が読み取れます。
国勢調査の2025年の結果では、15歳以上の未婚率は男性36.3%、女性26.4%でした。2020年の国勢調査の概要では、男性34.6%、女性24.8%とされていたので、5年で男女とも上がったことになります。
では、未婚の人は結婚したくないと考えているのでしょうか。社人研が2021年6月に行った第16回出生動向基本調査では、18〜34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性81.4%、女性84.3%でした。前回(2015年)の男性85.7%、女性89.3%からは下がったものの、今も8割以上の人が結婚を考えています。
同じ調査で「一生結婚するつもりはない」と答えた人は、男性17.3%、女性14.6%でした。こちらは2000年代に入ってから増加傾向が続いているそうです。独身生活の利点として「行動や生き方が自由」を挙げた人は男性70.6%、女性78.7%で、1987年の調査以来ずっと最多の利点となっていました。
結婚の意思がある未婚者に、今独身でいる理由をたずねた結果も載っています。25〜34歳では「適当な相手にまだめぐり会わないから」が最も多く、男性の43.3%、女性の48.1%が挙げていました。1年以内に結婚するとした場合の障害では、「結婚資金」(男性47.5%、女性43.0%)が最も多く、「住居」「職業や仕事上の問題」が続いています。
内閣府の男女共同参画白書(令和4年版)でも、内閣府の委託調査をもとに、独身者で「結婚意思あり」と答えたのは20代で女性64.6%、男性54.4%、30代では男女とも46.4%だったと紹介されていました。出会いの場についても、社人研の調査では、SNSやマッチングアプリなどのインターネットサービスで知り合った夫婦が、最近の結婚の13.6%を占めていたそうです。
生涯未婚率の数字を正しく読むための3つのポイント
ニュースやSNSで生涯未婚率の数字を見かけたときに、誤解しないためのポイントを3つにまとめておきます。
「一生結婚しない人の割合」ではない、数字を自分の行動に置き換える
1つ目のポイントは、この数字が「50歳の時点で一度も結婚したことがない人の割合」だということです。生命保険文化センターも説明しているように、生涯を通して未婚である人の割合を示すものではありません。「3人に1人が一生結婚しない」と言い切るのは、数字の意味から少し外れた言い方になります。
2つ目のポイントは、この数字が今の45〜54歳の人たちの結果だということです。Xでも「生涯未婚率は50歳を超えた人が対象なので、今の結婚適齢期の人の話ではない」と指摘する投稿が見られました。今20代や30代の方がこれから結婚するかどうかは、この数字だけでは分かりません。
3つ目のポイントは、計算の方法やデータの種類を確かめることです。2015年以降の値は「不詳補完値」で計算されていて、それより前の値とは計算の前提が少し違います。また、生命保険文化センターが紹介している2020年の年齢別未婚率(30〜34歳の男性51.8%など)は、この記事で使った不詳補完値の数字とは基準が異なるため、単純には比べられません。数字を見比べるときは、出典の注記にも目を通すようにしましょう。
生涯未婚率の数字は、社会全体の傾向を知るためのものです。自分がこれからどうなるかを決めるものではないので、数字を見て必要以上に焦る必要はありません。
一方で、社人研の調査で「適当な相手にまだめぐり会わない」が独身の理由の上位に挙がっていたように、結婚を望んでいても出会いの機会が少ないと感じている人は多いようです。結婚を考えているなら、結婚相談所や自治体の結婚支援、知人の紹介など、自分に合った出会いの方法を一度整理してみるのもよいかもしれません。
また、年齢別の未婚率を見ると、30代のうちに結婚する人が多いことも分かりました。いつまでに、どんな形で結婚したいのかを自分なりに考えておくと、婚活の進め方も決めやすくなります。結婚するかしないかも含めて、自分にとって納得できる生き方を選ぶための材料として、データを上手に使っていきたいですね。
生涯未婚率のポイントまとめ
生涯未婚率について、国勢調査と社人研の資料をもとに確認してきました。最後にポイントを振り返っておきましょう。
- 生涯未婚率は、45〜49歳と50〜54歳の未婚率の平均で求める「50歳時の未婚割合」のこと。一生結婚しない人の割合ではありません。
- 2025年国勢調査では、男性が約29.9%、女性が約19.6%で、どちらも1920年以来の最高でした。
- 1970年ごろまでは男女とも数%でしたが、1990年代から大きく上がり、今も上昇が続いています。
- 2025年の30〜34歳の未婚率は男性53.8%、女性41.9%。年齢が上がると未婚率は下がりますが、40代以降は下がり方がゆるやかです。
- 18〜34歳の未婚者の8割以上は「いずれ結婚するつもり」と答えていて、独身の理由では「適当な相手にまだめぐり会わない」が上位でした。
数字の意味を正しく知っておくと、ニュースの見出しに不安をあおられずに済みます。自分らしい結婚や生き方を考えるヒントとして、役立ててみてくださいね。