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結婚相談所のお見合いで、話が弾んだところにスマートフォンが差し出されたら。
連絡先を交換する流れかな。でも、この場で交換してよかったんだっけ……。
相手に悪いかな、という気持ちと、確認しないまま渡したくない気持ちが、同時に出てくることもあるよね。
IBJの公式ルールでは、お見合い時の当人同士の連絡先交換は禁止されています。名刺も含まれます。仮交際が成立したら、担当の婚活カウンセラーを通じて交換する流れです。
IBJ以外の相談所や紹介者によるお見合いなら、自分が利用しているところの案内を先に確認しよう。マッチングアプリで会う場合の話とも、ひとまとめにはしません。
そのうえで考えたいのが、交換しない意思をどう伝えるか。相手を責める言葉を探す必要も、自分の希望を飲み込む必要もありません。平木典子さんの『アサーション入門』が紹介する、自分と相手の双方を大切にする自己表現を手掛かりに、短い返事を組み立ててみよう。
以下の返答は、本からの引用や実際にあった会話ではなく、この記事の説明用の例です。言えば必ず好印象になる決まり文句ではないので、自分の活動ルールと、本当に伝えたいことに合わせて選んでね。
まずは「担当を通して交換したいです」と、次の手順を伝えよう
その場で連絡先を聞かれたとき、相手の性格や本心を判断しようとすると、返事が難しくなります。
自分を気に入ってくれたから? ルールを知らないだけ? それとも、急いでいる?
会ったばかりの場では、まだ分からないこともあるよね。
まず伝えるのは、相手への評価ではなく、こちらが取る手順です。IBJの活動で、当人同士の交換を求められたときの例なら、こう返せます。
「連絡先は、担当を通して交換したいです。今日はこのままお話しさせてください」
この返事には、今は直接渡さないことと、今の会話をどうしたいかが入っています。相手に悪意があると決めつけたり、交際の返事まで同時に決めたりしなくても言える内容です。
お礼を添えたいなら、「声をかけてくださってありがとうございます。ただ、連絡先は担当を通して交換したいです」という形もあります。ただし、気持ちにない感謝や好意を付け足して、断りにくさを深くする必要はありません。
IBJのお見合いと交際のルール&マナーでは、お見合い時の名刺を含む連絡先交換を禁止し、仮交際成立後に担当者を通じて交換すると案内しています。お見合い後の返事も、相手本人ではなく婚活カウンセラーへ伝える流れです。
「今日は渡さない」と「また会いたいか」は、ここで一つにしなくていいんです。もう少し話してから考えたいなら、その時間を残したまま、決められた手順へ戻せます。
もし、渡さないことで断られたと相手が受け取った様子なら、「交換の手順についてお伝えしています」と補う言い方もあります。その後に、まだ話したい内容があるなら続けよう。一方、本当は判断がついていないのに、「必ずまた会いたいです」と約束して埋め合わせる必要はありません。手順の説明と、今の気持ちで言えることを分けて返せばいいんです。
まだ所属先のルールを確認できていない人は、当日その場で推測しないでね。「連絡先の扱いは担当へ確認してからにします」と区切って、実際に確認する。知っているふりをするより、今できることがはっきりします。
笑って流すより、渡さないことを一つの文にしてみて
悪い空気にしたくなくて、とりあえず笑ってしまう。
それ自体を、失敗だったと責めなくていいよ。
ただ、笑顔だけでは、連絡先を渡すつもりがあるかどうかは伝わりません。相手がそのまま画面を開いて待っているなら、言葉を一つ足す場面になります。
「今日は、直接の交換はしません」
「担当を通す形でお願いします」
短いね。でも、いま相手にしてほしくないことは、こちらのほうが具体的です。「ちょっと、どうしようかな」と迷いだけを出す返事と違い、次にQRコードを読み取るかどうかが分かります。
日本・精神技術研究所の説明では、アサーションは、自分の気持ちや考えを正直に、その場にふさわしい方法で表し、相手の表現も尊重する考え方です。自分を押し通して相手を負かすこととも、毎回こちらが譲ることとも分けて考えられます。
今回なら、相手を「非常識な人」と呼ばなくても、直接交換をしない意思は伝えられる。逆に、にこやかに話すために、決めていない交換へ同意する必要もありません。
声の大きさを急に変えたり、長い説明を一息で並べたりしなくても大丈夫。普段の言い方に近い短い文を、一つ選んでおこう。話し方まで完璧に整えてからでないと伝えられない、という条件を自分へ足さなくていいんです。
「ルールなので」とだけ言うと、自分の希望を言いにくくなる人もいるはず。その場合は、「私は担当を通す形にしたいです」と、自分が選ぶ手順として伝えられます。所属先のルールが確認できていることは、その返事を支える材料になります。
なお、アサーティブかどうかを、人の固定的な性格のラベルにはしません。研究所も、自己表現は相手や状況で変わり、誰でも異なる表し方をすることがあると説明しています。とっさに言えなかった一場面だけで、自分の人付き合い全部へ点数を付けなくていいよ。
考え方の出典は日本・精神技術研究所のアサーション解説です。職場向けの説明から基本の定義を参照しており、お見合いでの成否が検証されたという意味ではありません。
「名刺だけ」「あとで送るだけ」と言われても、方法より意思へ戻ろう
交換の方法が変わると、どう返せばいいか、また迷うかもしれないね。
電話番号ではなく名刺なら? SNSのアカウントだけなら? 目の前で交換せず、帰ってから送ればいい?
そこで、ひとつずつ抜け道を探す話にしないほうが、返事を組み立てやすくなります。今の希望が「担当を通して交換したい」なら、方法が変わっても、その希望へ戻ればいいんです。
IBJは名刺を含む交換を禁止と明記しています。名刺の例なら、「名刺も含めて、担当を通す形にします」と返せます。会社のものだから私用の連絡先とは別、と自己判断で進めないようにしよう。
SNSなど個別の方法について判断に迷うときも、その場でアカウントを渡してから確認する順番にはしません。「その方法も含めて、先に担当へ確認します」で区切れます。ここでは、すべての相談所に共通するSNSの細則を新しく作ることはしません。
「あとで送ってもらえれば」と言われた場面なら、「個別には送りません。交換の手続きは担当にお願いしたいです」と、後の行動も短く示す例があります。
大事なのは、会話を早く終わらせるために、送るつもりのない約束を足さないこと。「分かりました、あとで」と返すと、その後の連絡を相手が待つ形になるかもしれません。今できないことを、帰宅後の自分へ先送りしなくていいんだよ。
| 聞かれた形 | 返すときに残したい中身 |
|---|---|
| 連絡先を今交換したい | 今は直接交換せず、担当を通す |
| 名刺だけ渡したい | 名刺も含めた所属先の決まりを確認する |
| 帰宅後に送ってほしい | 個別に送る約束をせず、正式な手順へ戻す |
表は言葉を選ぶための整理です。相手の返事が必ず穏やかになる、という予測表ではありません。返事を伝えた後も相手が納得しないことはあり、そのときは説明を増やし続ける以外の対応も考えます。
また、渡さない理由として架空の勤務先規則や、存在しない事情を作る必要もありません。仕事を理由にすると、仕事の話をさらに尋ねられて、本来伝えたい内容から離れることもあります。今は担当を通したい。その事実を中心にしておこう。
自分が連絡先を渡したくなった場合も、同じ手順へ戻ります。話が合ったからと先に名刺を差し出したり、相手に自分のアカウントを入力してもらったりせず、所属先の決まりを確認しよう。「こちらだけ渡すので返さなくてよい」と提案するより、最初から担当を通す予定にしておくほうが、相手にも交換するかどうかの即答を求めずに済みます。
その場で好意を伝えたいなら、連絡先を渡す以外にも、話してくれた内容への感想や、お見合いの時間へのお礼を言葉にする選択があります。実際にそう感じたことだけを伝えれば、交換を急ぐ行動と一緒にしなくていいんだね。
会話を続けたいときと、困って担当へ相談したいときを分けてね
連絡先は渡さないけれど、残りの時間は話したい。
そう思っているなら、交換の話を区切った後、今話せる話題へ移れます。
たとえば、「連絡先は担当を通してお願いします。さっきの旅行のお話、もう少し伺ってもいいですか」という説明用の例。相手のプロフィールや、その日すでに出た話題から、こちらも話してよいことを選びます。
話題を変えるために、急に深い個人情報を別の形で渡す必要はありません。連絡先は伏せたけれど、詳しい住所や勤務先の内部情報を話してしまう、といった交換条件にしなくていいんです。
一方で、「断ったのだから、残りの時間はもっと愛想よく頑張らなくちゃ」と、自分へ埋め合わせを課す必要もありません。会話を続けたいか、少し落ち着きたいかは、そのときの状況を見て考えてね。
もし同じ要求が重なり、返事をしても話が先へ進まないなら、「この件は、担当に相談します」と伝えて相談する選択があります。相手をその場で説得し切ることを、ひとりで引き受けなくても大丈夫。
カウンセラーへ相談するなら、聞かれた方法、自分が返した内容、その後も求められたかを分けて伝えると、状況を説明できます。「何となく嫌だった」しか言ってはいけないわけではないけれど、具体的なやり取りが添えられると、何を確認してほしいかも示しやすくなります。
例としては、「お見合い中に連絡先交換を求められ、担当を通したいと返しました。その後も名刺ならよいと言われ、どう対応すべきか困りました。今後の連絡方法を確認したいです」という形です。実際に起きていないことを足さず、自分の言葉で必要な範囲を伝えよう。
相談と、SNSで相手の情報を広めることは別です。IBJは、会員プロフィールを第三者へ見せることや、活動・交際状況の詳細、相手への印象を不特定多数が見る場へ書き込むことを禁止しています。困ったときの連絡先は、まず所属先の担当者です。
また、答えたくない質問に線を引くことと、相談所へ登録するプロフィールを不正確なままにすることも分けます。IBJは、提出した情報に変更があれば担当へ連絡するよう案内しています。話す場面や手順は選びつつ、必要な情報の訂正や正式な確認まで省く理由にはしないでね。
前日に一文だけ声に出しておく。相手を動かす台本にしなくていい
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当日使う言葉を考えるなら、長い会話を丸暗記するより、まずは一文で十分です。
「連絡先は、担当を通して交換したいです」
自分の相談所の決まりと合っていることを確認したら、普段の声で一度読んでみて。読みにくければ、「担当からの案内に沿って交換したいです」と、言いやすい形へ変えることもできます。
選ぶときの目印は、相手を裁く言葉になっていないかと、自分がどうするかが残っているか。柔らかくしようとして「どうしてもなら」と付け足すと、本当は渡したくない意思が薄くなることもあります。言葉を丁寧にすることと、結論を曖昧にすることは、分けて考えていいんです。
逆に、短く言うつもりで「絶対に教えません」と強い言葉だけを用意すると、自分が望む話し方から離れるかもしれません。今の手順を伝えれば済む場面なら、その範囲の言葉を選ぼう。相手を言い負かす強さを、練習の目標にしなくて大丈夫。
言いたいことをどう表すか、もう少し広く考えたい人への関連書が、平木典子さんの『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』です。講談社の公開目次には、自己表現の考え方や、心に届く伝え方などの章があります。
この本は、お見合いの連絡先ルールを確認する資料ではありません。IBJの手続きはIBJの公式案内へ、自分の言葉の組み立てを学ぶなら自己表現の本へ。知りたいことに合わせて、参照するものを使い分けよう。
書誌情報は講談社の公式紹介で確認できます。紙版のISBNは9784062881432。ここで確認したのは出版社の紹介と公開目次で、本の全文を読み終えた書評ではありません。この記事の返答例がそのまま載っているという紹介もしません。
本を買う前でも、所属先のルールを確認し、短い一文を用意することはできます。まずはそこから。うまく言えるか気になるなら、担当者にその一文を見てもらう方法もあるね。
連絡先を渡さないために、会話の楽しさまで全部手放さなくていい。
話したいなら話す。決まった手順は守る。困ったら担当へ相談する。
その場の返事と、その後の交際の判断を一度に抱え込まず、今必要な一つを伝えよう。笑ってごまかす以外の言葉を、短く持っておく。それが、次のお見合いへ向けた準備になります。